『接近不可レディー』作品概要
『接近不可レディー』(作画:Mingsungさん、脚色:Yong Doosikさん)は無料マンガアプリ・ピッコマで連載中(2022年6月現在は休載中)です。韓国の小説(作者:Kinさん)が原作となっています。単行本は未刊、1巻の発売予定も未定です。
あらすじ
主人公のヒリスは、【イノアデン家】の暗い牢屋で、実の兄リカルドに「ガブリエル(妹)の代わりに死んでくれ」と告げられます。兄は血の繋がっていない妹ガブリエルの命を救うために、実の妹であるヒリスに死を望みます。ヒリスは兄に助けを請います。けれども、兄から見捨てられます。死を遂げると、数年前の同世界の自分に7度目のタイムリープをします。
この物語は、タイムリープを繰り返すヒリスの【イノアデン家】への復讐劇として始まります。7回目の人生として目覚めたヒリスは、顔つきがキリっとして、もうか弱くて落ちこぼれな【妹】でなありません。7回も同じ場面から再スタートしているので、この先の出来事をヒリスは知っています。
今回の転生では、全ての人間に心を閉ざし、まるで別人のように振る舞います。いつもヒリスに陰湿な嫌がらせをしていたメイドにも、毅然と処罰を下し、ヒリスは自分の目的のために、冷静にときに非情に父と兄に対峙します。イノアデン家の【異能】を覚醒したヒリスは、兄に異能を移そうとする父に、自分の異能の力でもって、その野望をはねのけます。そして、父から当主の座を奪います。激高する父や悔しがる兄のリカルド、今まで愚鈍だったヒリスに見向きもしなかった他の異能者達との駆け引きが始まります。ヒリスが数回のタイムリープでいったいどんな秘密を知り、復讐のためにどんな計画しているのか。ミステリー要素もあり、ハラハラさせてくれます。
主人公の人物紹介
ヒリス
四大家門イノアデン家の娘ヒリス。8度目のタイムリープでは、異能を覚醒した後、イノアデン家の当主に就任。みにくいアヒルの子のごとく、虐められていたか弱い少女から、赤い薔薇の花が似合う美しい女性と変貌を遂げます。過去のひ弱なヒリスとの落差に読んでいて驚きます。まるで女王のごとくヒリスは誰も近寄らせません。心も開きません。まさに、タイトル通り【接近不可】です。覚醒した薔薇の花を操る異能の力は凄まじく、次々と敵を排除する場面は見応えがあります。凛とした顔、強く、美しく、冷酷なヒリスの目的は一体なんなのか。展開が気になります。このまま誰にも心を開かないのか、復讐はどうなるのか、読者としてもヒリスの一挙一動から目が離せません。
登場人物紹介
アクシオン
アクシオンは、四大家門【ベルゼット家】当主で黒髪の美青年です。クールで聡明で、圧倒的な異能の持ち主です。物語の中でも重要なポジションです。四家の中でも一目置かれている存在で、陰謀を暴こうと独自に調査しています。ここぞという場面でヒリスに力を貸す王子様のような一面もあります。アクシオンは過去の人生でヒリスと何かあったことを断片的に覚えているようです。そして、ミステリアスな魅力を放つヒリスのことが、異性として気になっているみたいです。二人の今後の関係に目が離せません。
ビオレッタ
ビオレッタは、四大家門【カリキア家】の次期当主となる女性です。金髪の美しい女性で、カリキアのお姫様と呼ばれています。カリキア家は「カリキアの血」にまつわる陰謀がある家です。カリキア家にはいろいろ事情がありますが、ビオレッタは心優しい女性で、ヒリスのことが好きなようです。ヒリスもビオレッタは信頼しているようで、今後二人が仲良くなれると良いと、読者は応援したくなります。ヒリスがマゴを救ったことで、ビオレッタとヒリスは親しくなります、
リカルド
リカルドは、イノアデン家の長男で、本来【異能】を父から受け継ぐと思われていました。周囲も本人もそのつもりでいましたが、覚醒が遅く、先にヒリスが覚醒したことに衝撃を受けます。リカルドは血のつながっていない妹のガブリエルを溺愛していました。過去の生ではヒリスにも優しかったため、ヒリスはリカルドを信頼していました。ヒリスの覚醒でリカルドはヒリスに敵意を向けます。
クリス
クリスは冬の【パルベノン家】の嫡男で、白皙の貴公子です。ですが、性格は性悪です。ガブリエルと婚約していましたが、ヒリスが異能を覚醒したことを知ると、ガブリエルからヒリスに乗り換えようとします。ヒリスは過去の人生ではクリスのことを慕っていました。けれども、今回の人生ではクリスを寄せ付けません。クリスやパルベノン家が何を企んでいるのか、この物語では重要な人物です。
漫画の見どころシーン
四大家門のカリキア家の舞踏会で、ヒリスが囚われていた【マゴ】を救うシーンです。
マゴはカリキアの血のために、監禁されていました。この物語の中では残酷なシーンの一つで、ヒリスは颯爽と現場に現れて、異能でマゴを救いだします。マゴが本当に気の毒で、異能で魔獣を仕留めるヒリスが本当にカッコいいです。その現場にはアクシオンも駆けつけますが、ヒリスが去ったあとでした。ここで、アクシオンは残された異能の戦闘の痕跡からヒリスへの関与を疑います。舞踏会に突如現れたヒリスは、傷ついたマゴをビオレッタに渡します。行方不明だったマゴは、実はビオレッタの姉ロゼニアの息子でした。ビオレッタは泣きながら感謝を述べます。感動のシーンです。来賓客の注目の的になっていることも構わず、ヒリスは目的を果たすと舞踏会を後にします。ヒリスは、モノローグで過去の人生の借りを返したと語っており、事件の真相が気になります。
漫画の見どころポイント
【四季の森】にヒリスとアクシオンが、掟に従い手をつなぐシーンがあります。まだ意識していない二人ですが、見ていて甘酸っぱい気持ちになります。特に、アクシオンがヒリスの笑顔にドキっとしているところがイイです。実はヒリスは死ぬ方法を探していました。そのためなら自傷行為もします。気づいたアクシオンが止めに入ります。この物語の中でヒリスにこんな風に優しく守ろうとしてくれるのはアクシオンだけです。ヒリスは過去の人生ではクリスが好きでしたが、今回の人生ではアクシオンに惹かれているようです。当主同士で最強の二人は、お似合いです。このまま男女としても結ばれるのか、本当に気になります。