【韓国漫画紹介】(異世界転生系)『今世は当主になります』あらすじ・キャラ・見どころ紹介

あらすじ

ランブル帝国の名家ロンバルディ家三男ギャラハンの娘として生まれたフィレンティアは、才能と努力で没落しつつあるロンバルディ家の立て直しに尽力していたが、出来の悪い兄弟から庶子である事を理由に毛嫌いされ、放逐されてしまう。その後、名家ロンバルディは衰退を続け、脱税の嫌疑で取り潰されるまでになった。

事件の直後、事件を知ったフィレンティアは酒に酔って帰宅途中に、馬に轢かれて死んでしまった。目覚めると、7歳の自分に時間が戻されていた。

「ハハハ…転生の次は蘇りか…」

実は彼女は、交通事故で死んだ日本人だったのだ。3回目の人生、彼女はロンバルディ没落の阻止、そして最愛の父ギャラハンの病死を防ぐための薬の開発を目標にしていくことになる。

世界観

ランブル帝国は科学力は不明で少なくとも産業革命以前らしさはある。そして「異世界」である事は固有名詞から見て取れる。貴族も商業から切り離せなくなったところは、16世紀から18世紀の重商主義時代の台頭か、19世紀末期の産業革命前後である事が推測できる。

主人公の人物紹介

フィレンティア・ロンバルディ

元々は日本人の女の子(年齢は不明だが1回目の言動から幼かったと推測できる)だったが、交通事故で死んでしまう。しかし、転生し、ロンバルディ家三男ギャラハンと庶民の出であった母との間に生まれる。母は彼女を産んですぐに亡くなり、ギャラハンも三男という事で大人しく周りから軽んじられていた。そのため、フィレンティア自身も、いとこからいじめられ幼い頃から不遇な扱いを受けていた。彼女は財政を取り扱うことに才能があったので、祖父ルーラックからの仕事を受け継いで15歳まで取り仕切っていた。が、それを疎ましく思った長兄は、祖父が死ぬと、フィレンティアを追放してロンバルディ姓も取り上げてしまった。

その後、ロンバルディ家が反逆罪と脱税で取り潰されることになり、自分の力の無さから大酒を飲み、暗い夜道を酔っ払いながら歩いていたことで、偶然通りかかった馬車に轢かれて1回目と同じく、交通事故でなくなってしまう。しかし、目が覚めると、そこはロンバルディの屋敷で、フィレンティアの横にはなくなったはずの父ギャラハンの姿、咄嗟に彼女は自分が2回目の生まれ変わりをした事実を受け止め、自分の居場所を無くさないため、ロンバルディ没落の阻止と父の非業の死の阻止をするために行動を開始する。

性格は1回目の転生では泣き虫で、その身の上からも周囲から冷たい態度を取られていたが、財務関連の仕事の才能が花開き、若くしてロンバルディ家の財務管理をするようになってからは、無能な兄に意見ができるようにその精神も強くならざるを得なかったのか、はっきりと誰が相手でも物おじしないようになっていった。賢さは父ギャラハン譲りで、ギャラハン自身は気づいていない(気づかないように自分を押さえていたようだ)部分を暗に指摘して気づけるあたり、彼女の才能が父の隠された能力である事は言うまでもない。

登場人物紹介

クレリバン・フェレット

ロンバルディ家が名門である証とも言える教育分野で、比較的年齢の低い子供等を担当している教育係。ルーラックが彼女の才能を看破したことで、彼に声がかかる。最初は(2回目の転生以前)フィレンティアをただの年齢相応の子供としか認識していなかったが、2回目の転生を遂げた彼女の言動から、ロンバルディ家の授業を受けられるように手配した。

【キャラクターについての考察】
1回目の転生時代の彼は、ロンバルディ家の教育係に見切りをつけて、彼が重視する商業に重きを置いた商人ギルドのリーダーになっていたことから、全く野心のない人物ではなく、授業のやりがいを見失っていたように思えます。貴族であっても金の流れに敏感でなければならない。というフィレンディアの考えは彼の教えからなのでしょう。

ベレサック・ロンバルディ

ロンバルディ家当主ルーラック・ロンバルディの孫の一人。典型的な「悪者」で尚且つ、漫画版では1話目から反逆罪と脱税の汚名を被ることになっている。貴族の嗜みをどれほど熟知しているかは不明だが、教育特に金の扱いを軽視、蔑視している点が強調されている。

【キャラクターについての考察】
フィレンティアを庶子であることから幼い頃からいじめ続けており、大人になってもその態度は変わらないことから相当器の小さい人間に育ったなという印象です。いじめるのは相手に気があるからだ、というのもフィレンティアを意識していたのには違いありませんが、恋愛感情ではなくてライバル意識の方が強いように思えます。

ルーラック・ロンバルディ

ロンバルディ家当主。この祖父に才能を認められる事が、フィレンティアの目標である。フィレンティアが難しい専門書を持っていたことから、彼女の知性について指摘、クレリバンに彼女が授業に参加できるように指令を出した。お互いの言い分を聞いてから判断を下す事ができる物語でも稀有な人物。ただ、1回目の転生ではフィレンティアの才能を看破できたのは晩年で、それまでは考慮にさえ入れてなかったようなので、ちょっと抜けている部分もあるようだ。

【キャラクターについての考察】
物語の都合上、フィレンティアが転生していることが周りにバレる事はないが、もし彼女の怪しい言動にある程度気をつけていれば、彼女が転生者であることは考慮できたのではないでしょうか(転生物語は古典文学でも度々、題材にされるので、ルーラックが文学に精通してなかったとかでなけければ考慮できたかもしれません)。

メイロンとギリヴ

ルーラック・ロンバルディの4人兄弟の長女、シャナネットの双子の息子。フィレンティアには従兄弟。双子なのでどちらか判別はつかない。胸のブローチが唯一の見分けるポイント(青い宝石と黄色い宝石)なのだが、二人一緒に出るので結局二人の名前は判断できない。金髪で瞳の色も金色、初登場の授業では二人だけ描かれ方が微妙に違うようで、明らかにベレサックと違ってかっこいいと思わせる描写がなされていた。1回目の転生では、彼女のいじめられていた様子を見ても、何も言わず、あえて徹底的に無視していたが、2回目でベレサックを叩いて返り討ちにしたフィレンティアに興味を持っていたようで、それから授業後彼女にいつも絡んで、遊んで欲しいとせがんでいた。

【キャラクターについての考察】
ベレサックが貴族の御曹司ポジションなら、二人はわんぱくキッズといったところで、年相応に暴れ回れる友達が欲しかった時に、7歳の女の子でありながら、10歳の男の子をボコボコにしたフィレンティアに尊敬を抱いたのかもしれません。彼女は第二皇子と結ばれる事が1話冒頭で確定していますが、それまでは第二皇子と双子二人で、フィレンティアを巡って、三つ巴の戦いを繰り広げてることを期待しています。

漫画の見どころシーン

クレバリンの授業方針で商業の授業を受けているシーン。クレバリンは、宿題として丸太(どこにでもある普通の)を使って、お金を稼ぐという課題を出しました。これは10歳前後の子供等にはかなり難問であるなと思います。ベレサックの言い分ももっともで、無理難題だ。と自分は思いました。同じ時期の自分なら精々、親に買って貰うのが関の山だなと…

実際、メイロンとギリヴは使用人に買わせる事にしたようで、貴族の子息が使用人に買わせる行動力はやはり双子だなと思いますが、これが正常な10歳(かなり積極的な)の子供の判断と言えるでしょう。

フィレンティアは1回目の知識から、後に名匠と謳われる事になるアルペオ・ジャンを訪問して、ルーラックの妻であるナタリアの肖像を作るように提案します。その肖像を持ってルーラックの元に丸太を売りに行った訳で、これは彼女の記憶があってこそ成り立ったので、これくらいはやってほしいなと思いました。

一番はララネで、授業の内容からおよそ判断したのでしょう。丸太で炭を作って、使用人に売るという方法を選びました。貴族の女の子というと、世間知らずな偏見を持ってしまいますので、炭が丸太からできている事を知っていただけでもすごいなと、それくらいは教えられたのかもしれませんが、炭焼き職人がいて、彼らが炭を作って卸している事に気づいているのは彼女もまた、才能があることを示しています。

このイベントで、相対的にクレパリンの株が下がったなと思います。ララネも結構教えがいのある生徒じゃないのか、クレパリン見る目ねぇな。と心の中で思ったと同時に、もしかしたら、ララネはギャラハン同様に、フィレンティアのやる気にほだされて、自分の隠された才能を認識したのではとも思いますが、描写が少ないので彼女がこれからどのような判断を下すかが楽しみです。

キャラの注目の関係性!!

フィレンティアと第一皇子アスタナ

ロンバルディ家を台無しにした張本人らしい第一皇子との2回目の転生での初対面は最悪な物です。フィレンティアはその性格で第一皇子であっても毅然とした態度を取り、皇子であることからお高く止まっているアスタナの命令を無視しています。アスタナも機嫌を悪くして、ロンバルディ敷地内に、近衛兵を連れてきて一触即発状態になりましたが、祖父が登場したことで事なきを得ました。その後も、彼女の前に現れては何かと突っかかるアスタナですが、2話では酒に酔っぱらったフィレンティアが、彼の事を「筋肉バカ」と呼んでいる描写があって(正確には二人兄弟がそれぞれ「悪いやつ」「遊び人」なので消去法で)、彼とは追い出される直前まで親交?があったと言えるでしょう。彼の母である王妃もまた、フィレンティアをアスタナと結びつけたかったような節があることから、ある時点で彼女はアスタナと婚姻フラグが2回目の転生にはあるでしょう。その時に第二皇子がどういった反応を見せるのかが、この先の物語の中核になるでしょう。
非常に面白い作品なので、是非読んでみてほしい作品です。

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