『逆ハーレムゲームの中に落ちたようです』作品概要
『逆ハーレムゲームの中に落ちたようです』(作画:GOYAさん)は無料マンガアプリ・ピッコマで連載中(2023年2月現在は休載中)です。韓国の小説(作者:inuiさん)が原作となっています。単行本はカラフルハピネスより1巻が既刊、2巻の発売予定は未定です。
あらすじ
物語の冒頭で「私」は何かゲームの世界に転生してしまったようだと気付くのですが、その理由はなんと目の前にゲームのシステムウインドウが現れたからでした。しかしそのウインドウは自分の意志と関係なく動いていきます。「私」は今見えているウインドウはゲームの本来のプレイヤーが見ているものとすぐに理解するのでした。
よくあるゲームの悪役令嬢に転生する話では、主人公は前世のゲームの知識を駆使して破滅の道を辿らないように立ち回るものがほとんどですが、この話の主人公の「私」はほとんどこの逆ハーレムゲームに対して知識を持っておらず、持ち前の推理力と観察眼、機転が効く頭の良さでピンチを次々と切り抜けていきます。
ゲームの本来の主人公である「ユリエル」もおそらくこの世界に転生してきたようで、「私」が転生した皇女エルドリアの破滅を目的としています。逆ハーレムゲームをただのゲームとして愉しむユリエルと、ゲームのキャラクターにも一人一人慈悲の心を持って接していく主人公の心理戦が、読んでいてハラハラドキドキするお話です。まるで心理サスペンスドラマを観ている気分になります。
主人公の紹介
主人公「私」の転生前の姿はほとんど描写がなく、この逆ハーレムゲームに対しても(有名な話だったからなんとなく知っている)くらいの知識しか持っていません。
転生したその瞬間に隣で寝ていたナドリカに「どうやら私記憶喪失になったみたい」と、自分が皇帝の妹の皇女エルドリアで、皇帝には後継がいないためエルドリアが皇帝の第一後継者として栄華をほしいままにしていたと知ります。そして性格は奔放で何人も愛人を侍らせていたとも。さらには目をつけた男を自分のものにするために人を殺すことも厭わない性格であったとも知るのでした。
ゲームの中で破滅に向かわされると知っているエルドリアは、そうならないように目の前に現れるユリエルのゲームシステムウインドウの文章や、周りの人物の言動を注意深く観察してどう動くのが最適かを考えていきます。
冷静沈着で頭が良く、元々のエルドリアとは全く違う思慮深い人物です。
主要キャラクター紹介
【ナドリカ】
転生した主人公の隣で裸で寝ていた美形の男の子。
奴隷として国では最下層の暮らしをしていたところを愛人として引き取ってくれたエルドリアに感謝し、記憶を失ったというエルドリアにこの世界のことを教えてくれた人物です。
金髪で可愛い顔立ちで、エルドリアのためならばなんでもするというまるで子犬のようなキャラクターです。
エルドリアのお気に入り(弱点)を手に入れたいユリエルに誘われても全く相手にしなかったくらいエルドリアのことを心から慕っています。
【エッセン】
小国の王子であったのに、主人公が転生して来る前のエルドリアに愛人になるように請われ、断ったことで国を滅ぼされてしまった人物。
唯一の心の拠り所として城でメイドとして働くユリエルを愛し守ろうとするが、逆ハーレムゲームをクリアしようとするユリエルに裏切られる哀れな人物。
転生ですっかり性格が変わってしまったエルドリアを見ても簡単には信じることがなかったが、段々とエルドリアに心惹かれるようになっていく。
【ロビア】
エルドリアの愛人の1人で、盲目的にエルドリアを慕っています。
「私」が転生してしまったことでエルドリアが心変わりしたと思い、さらに輪をかけてエルドリアのことを愛するようになります。
皇帝に外交関係を任せられてしまったエルドリアに、国の歴史や各国との関係を教えてくれる先生でもあります。
一度はユリエルにぐらついてしまった彼ですが、後々のエルドリアに対する愛情を見ていると切なくなってきます。
【デイジー】
エルドリアづきのメイドとして働く女の子。
「気に入らないものは簡単に殺す」「冷酷非道な罰を与えられる」という噂より、自分の目で見たエルドリアの慈悲深い面を見て信じて付き従ってくれます。
ユリエルにエルドリアの弱点と認定されたことでピンチに陥りますが、エルドリアに助けられ心の底からの味方になってくれます。
おすすめシーン
「愛人を何人も侍らす」「冷酷非道な性格で人を殺すことをなんとも思わない」という皇女エルドリア。そのエルドリアに転生してしまったことでどうにかエルドリアの評判を回復できないかと動く「私」と、そのエルドリアを破滅に導くことがどうやらゲームのクリアだと思っているユリエルの立ち回り合戦、心理戦が上質なミステリーを読んでいるような気持ちになります。
ゲームの内容も少しずつ明らかになっていき、読んでいるうちに謎に引き込まれていきました。
一体このゲームの真のエンドはなんなのか、「私」は元の世界に戻れるのか、ユリエルの目的はエルドリアを破滅に導くだけなのか、、、?謎はまだまだ尽きないのでこれからがさらに楽しみです。
見どころ
この世界に来て右も左もわからない主人公を心の底から支えるナドリカの笑顔に癒されます。ナドリカは奴隷という身分から愛人になったため、最初はいつ捨てられるかもわからない不安でいっぱいだったと思うのですが、エルドリアも彼のことを恩人以上に大切な存在として愛して守っていく姿が素敵です。
エルドリアお気に入りの愛人を自分のものにしようとユリエルが一度ナドリカに手を出そうとしたのですが、それをキッパリ拒否してエルドリアに「あの女に触られました!」と報告しに来たシーンは愛しさが込み上げました。
とても面白い作品なので、是非一度読んでみてください!