『悪女の定義』作品概要
『悪女の定義』(漫画:Minさん/脚色:Yunsさん)は無料マンガアプリ・ピッコマで連載していましたが、完結しました。韓国の小説(作者:HÆONさん)が原作となっていて、ノベル版もピッコマで読むことができます(こちらも完結しています)。単行本は未刊、1巻の発売予定も未定です。
『悪女の定義』あらすじ
悪女の定義は、ある日本の女子学生「芙美」が、異世界のワガママお嬢様に転生し、皇后争いに参加するという異世界悪女転生ストーリーです。
芙美は、シャティ(シャルティアナ)として皇后争いに参加する事になりますが、同じくレジーナ(皇后候補)として皇后の座を争う事になる女性・アイリーンは、既に皇太子の彼女だと扱われているようでした。一方で芙美がシャティの記憶を辿ると、両親に甘やかされワガママに育ってきた様子が伺えます。かなり劣勢からのスタートとなったシャティこと芙美が、アイリーンや皇太子、貴族と関わっていく中であらゆる変化を巻き起こし、目が離せないストーリー展開となっています。
シャティの人物紹介
シャルティアナ・アティーゼ・カイロンは、カイロン家の令嬢です。お金持ちのカイロン家で、両親に愛され、何不自由なく育ったお姫様であるシャティは、その自由さゆえか、とてもワガママな性格に育ちます。シャティは大病で意識不明となり、そこに入れ替わるように芙美がシャティとして転生します。
芙美は転生する前はいたって普通の日本に住む女の子でした。ある日、彼氏と友人に裏切られ、悲しみのまま川辺でお酒をあおっていた彼女は、足を滑らせ川に転落、そのまま溺死してしまいます。そして芙美が目覚めた時、彼女はシャティとして転生していました。
芙美がシャティの記憶を辿ると、欲しいものは手に入れないと気が済まず、他の令嬢たちに意地悪をしてきた記憶が出てきます。芙美は元々、とても素直で賢く、まじめな女性でした。そんな芙美がシャティとして転生し、皇后争いに参加、皇太子やレジーナであるアイリーンと関わる事で、これまでのワガママシャティとは違い、周りにどんどんと良い変化や影響を与えていきます。
アイリーンの人物紹介
アイリーンは、シャティと同じく皇后争いに参加しているレジーナ(皇后候補)です。シャティは公爵家の姫である一方、アイリーンはステナ伯爵家の息女。二人には身分に差があります(伯爵より公爵の方が身分が高い)が、皇后争いはアイリーンの方が圧倒的に優勢な状態でスタートします。
アイリーンは皇太子の恋人であると認知されており、周りの人間からの評判も良く、とても心優しい令嬢だと評価されています。現に、芙美がシャティとして初めて参加したパーティーで、シャティが不利だと嘲笑っていた令嬢たちを窘め、シャティを庇うという聖人ぶりを見せます。しかし、シャティと1対1で会話をしたとき、これまでの意地悪を謝罪したシャティに対し、アイリーンは会話の中で暗に「皇太子が許さないだろう」とシャティに告げます。自分より身分の高いものの名前を出し、自分は許すが自分より上のものが許さないという会話法を使う彼女は、本当は腹が黒く、とても計算高い女性のようです。
レオフリドの人物紹介
レオフリドは、皇帝と皇后の間に生まれた皇子です。アイリーンを恋人とし、シャティとの扱いに明らかな差を付ける紳士性に欠ける様子も見られます。幼少期にたくさんの兄弟と皇太子の座を争う中で、彼が心を閉ざしてしまうきっかけになるような出来事が起こり、どことなく掴みにくい性格である印象を与えます。
しかし、芙美が転生したシャティと関わっていく内に、彼女の賢く素直な性格に絆され、どんどんと魅力的で人間らしい男性へと変化していきます。
カイラードの人物紹介
カイラードは、レオフリドの腹違いの弟です。兄であるレオフリドを慕う、とても素直で心優しい青年です。爵位に興味を持たず、ただ兄や周りの人間を大事します。家臣などにも敬語を使うところから、彼の誠実さが伺えます。
ある時からカイラードはシャティを気にかけるようになり、幾度となくシャティを救ってくれる存在になります。その方法もとてもさりげなく、シャティに恥をかかせないよう紳士として振舞います。皇太子としてレジーナの扱いに差をつけるべきではない、紳士性に欠けるとレオフリドに言及したこともあるなど、とてもまっすぐで素直な心優しい青年です。
シェルメロの人物紹介
シェルメロは魔塔のマスターで、マスターシェルメロと呼ばれています。魔塔を管理していて、魔法や魔具の知識に長けており、シャティやレオフリドを助けてくれる存在です。
温和な性格で優しい人物ですが、スキンシップの距離感が少し近かったり、それでいて飄々としていたりと、大人の色気とギャップとが魅力的なキャラクターです。シャティの手の甲にキスをして、レオフリドをやきもきさせるなど、大人の余裕を見せると同時に、レオフリドをからかうようないたずら心を持った一面も見せます。
カイロン公爵の人物紹介
カイロン公爵は、シャティの父親であり、帝国の宰相です。シャティのことを溺愛しており、甘やかすのはもちろん、本人にも隠そうとしないほどのデレデレ具合を見せます。しかし、外では厳格で冷徹な公爵。娘への態度とのギャップがかなりあります。
シャティに甘いカイロンですが、シャティが困っているときや悩んでいるときは、公爵としてしっかり助言します。芙美がシャティとして転生してから、彼女の賢さと真面目さを感じ取り、娘を信頼している様子が伺えます。
アルテミルの人物紹介
アルテミルは、シャティの兄です。両親に溺愛されていたシャティに、一人だけ冷たくあたっていた人物であり、シャティのことを嫌っていたのか? という印象を与えましたが、その本心は真逆。両親に甘やかされ、ワガママで無知に育っていくシャティに、自分だけでも厳しく接することで分かって欲しいという兄心を持っていました。
その兄としての本心を打ち明け、芙美としてとてもまじめで聡明に生まれ変わったシャティと和解した彼は、シャティを助ける心強い存在になります。
ユタバインの人物紹介
ユタバインは、シャティの幼馴染であり、レオフリドの直属の部下です。レオフリドのことを尊敬し、とても慕っています。
シャティとは唯一軽口憎まれ口を交わし合える人物で、シャティをからかうような口調が印象的です。
コーゲンの人物紹介
アルベル・コーゲン西部地域の男爵令息で、とても素直でまっすぐな性格の青年です。シャティにまつわる悪い噂に戸惑う一面を見せたり、雨の降らない地域に木を植えるというシャティ考案の緑化計画に少しネガティブになったり、しかしそれが成功すると興奮気味に喜びシャティのファンになるなど、犬っぽい性格のかわいらしいキャラクターです。
私の推しキャラ・推しの関係性をご紹介!
私が推しているのはなんといってもシャティとレオフリドカップルです。
最初の二人の関係は良好どころではなく、アイリーンをあからさまに贔屓していたレオフリドですが、芙美がシャティとして転生してから、その賢さと真面目さ、素直さにレオフリドがどんどんとほだされていきます。二人の関係が良いものに変化していく過程と、その結果両想いになった二人の関係に感動が止まりません。両想いになってから、レオフリドがシャティに甘える姿にときめきが止まらないです。
両想いになったから終わり、ではなく、二人が協力して大きな計画や事業を成し遂げていくようになり、その後もずっと目が離せない展開が続きます。
特に印象に残っているシーンは、シャティがレオフリドに惹かれているのは、芙美としての感情ではなく、シャティが持っていた感情なのではないかと思い悩み、芙美が転生したことをレオフリドに打ち明けるシーンです。「信じてもらえないかもしれないが」と切り出すシャティに「そなたの話なら信じる」と言い切るレオフリドが格好良いです。そして、中の人格がシャティではなく芙美であることを打ち明けられたレオフリドは、だからかと妙に納得した様子を見せて、「そなただからこそ愛した」と、芙美が期待していた以上の言葉を彼女に与えます。あんなに冷たかったレオフリドが、こんなにシャティにやさしく甘くなったんだなということをとても実感できるシーンでした。
ぜひ読んで楽しんでみてくださいね!