『ある日、お姫様になってしまった件について』作品概要
『ある日、お姫様になってしまった件について』(漫画:Spoonさん)は無料マンガアプリ・ピッコマで日曜日に連載中(隔週更新/2022年10月現在)です。韓国の小説(作者:Plutusさん)が原作で、ノベル版もピッコマで連載されていましたが、現在は販売中止となっています。単行本はフロースコミックより7巻が既刊、2022年11月に8巻が発売予定です。「ある姫」の名で親しまれています。
『ある日、お姫様になってしまった件について』あらすじ
ある日突然、目を覚ますと赤ちゃんの姿になっていた。どうやらかつて目にしたことのある「かわいらしいお姫様」というロマンス小説の中の登場人物である、「アタナシア」という名のお姫様へと生まれ変わっていたのだ。
しかしこのアタナシア、お姫様であるにも関わらず、周囲のメイドからもやっかいものの姫として下に見られ、実の父親である皇帝・クロードは一度も会いに来ない。さらには小説では、やがて父親である皇帝の手によって、わずか18歳で悲劇的な死を遂げる悲運の姫、という役どころなのである。
この運命を回避すべく、アタナシアの奮闘が始まる。
アタナシアの人物紹介
アタナシア・デイ・エルジェア・オベリア。ある日突然、赤ちゃんの姿で、ロマンス小説「かわいらしいお姫様」の中の登場人物、「アタナシア」という名の脇役のお姫様へと転生していた主人公。
小説の中では、物語の主人公である同い年の妹姫・ジェニット毒殺未遂の濡れ衣を着せられ、実の父親である皇帝・クロードによりわずか18歳で悲劇的な死を遂げる悲運の姫、という役どころ。この運命を回避するべく、クロードとの接触を避け、周囲のメイドの目を搔い潜りつつ資金を集め、逃走する計画を立てる。
しかしある時、迷い込んでしまった先で、生まれてから一度も会いにも来なかった皇帝と、小説よりも早い段階で遭遇してしまう。以降、皇帝によって処刑される運命を回避するため、日々奮闘している。
クロードの人物紹介
クロード・デイ・エルジェア・オベリア。オベリア帝国の現皇帝陛下で、アタナシアの実の父親。悪魔に従い狂った暴政を行った暴君をやっつけた英雄、と称えられている。
小説の中でも冷酷な心の持ち主で、アタナシアの母親違いの妹姫・ジェニットの方だけを愛し、アタナシアのことは出生直後から後宮に閉じこめて放置していた。挙句、アタナシアの18歳の誕生日に、ジェニットの毒殺を図った容疑でアタナシアをその手にかけて殺害、その後濡れ衣であったことが判明するも気にも留めなかった。
実際も、アタナシアに会いに来ることもなく生まれてからずっと放置していたが、5歳になったアタナシアと偶然遭遇する。以降、不愛想で不器用ながらも歩み寄る姿勢を見せていく。
ルーカスの人物紹介
大魔法使いであり、自らの力で幼い少年から青年まで、自由にその容姿をコントロールすることができる。その生まれ持った魔力が膨大すぎるあまり、幼いころから両親からですら恐れられ、ずっと放置されたままであった。そんな忌避されてしまう原因であった自分の膨大な魔力をうまく使えるようになろうとするも、結果としてそのことで目の前で家族を失ってしまう。そしてそのきっかけを自分が作ってしまったことにひどく心を痛め、魔法で自分の感情を消し、その後長い眠りについていた。その眠りから覚めた時、宮廷の庭でまだ幼いアタナシアと初めて出会う。
毒舌で、他人に興味を示すことはほとんどないが、アタナシアにだけは特別な感情を抱いている。
ダイアナの人物紹介
アタナシアの母。もともとは皇宮に招待されたシオドナの踊り子だったが、クロードに見初められて、子ども(アタナシア)を身籠る。クロードにとても愛されていた。
妊娠した時、お腹にいるアタナシアの魔力が強大すぎる為、出産は自身の命にかかわるということもわかっていた。クロードからは子供を諦めて欲しいとも懇願されたが、それを拒否しすべてを理解した上で自らの意志を貫き出産。その後亡くなってしまう。
「不滅」という意味の「アタナシア(Athanasia)」という名前を付けたのは、ダイアナ。
フィリックスの人物紹介
フィリックス・ロベイン。アタナシアの護衛騎士。別名「赤血の騎士」。
フィリックスの母親は、クロードの乳母であったため、二人は乳兄弟にあたる。そのためか、クロードもフィリックスに対してだけは心を許している模様。
幼い頃は、クロードに母親がかかりっきりだったため、あまり母親の愛情というものを知らずに育つ。しかし後に、亡くして初めてどこに確かな愛情があったことに気が付く。
クロードとアタナシアのことを、いつも案じている。
イゼキエルの人物紹介
イゼキエル・アルフィアス。アルフィアス公爵の息子。小説の「かわいらしいお姫様」の中では男主人公であり、主人公である妹姫のジェニットと結ばれる相手だった。
明晰な頭脳を持ち、留学先では首席で早期卒業するほど。さらに容姿も優れており、なおかつ家柄もいいため、帝国中の女性から注目を集めている。
ある日、ルーカスの悪戯によって空から降ってきたアタナシアと出会う。その後、小説の展開とは異なり、アタナシアを意識するようになる。
アナスタシウスの人物紹介
アナスタシウス・デイ・エルジェア・オベリア。先代の皇帝。名前の意味は「復活」。
クロードの異母兄弟であり、昔は、正室の子供ではないクロードのことを気にかけていた。しかし、強大な魔力を有するクロードのことを妬むようになり、婚約者を奪い、クロードの母親を殺害した。クロードのことも殺そうとするが、そのクロードの手によって殺害されてしまう。
アエテルニタスの人物紹介
200年前のオベリアの皇帝。名前の意味は「永遠」。歴代最強と呼ばれている。
ルーカスからは魔力量が少なすぎると散々落ちこぼれ扱いされているが、アタナシアにとっては史上最強の皇帝、というイメージが強い人物。
私の推しキャラ・関係性をご紹介!
魅力的なキャラクターが豊富な作品ですが、やはり注目すべきはこの物語の主軸とも言える、アタナシアとクロードの関係性でしょう。この二人は父とその娘という間柄ですが、一般的な関係性とは異なり、生まれてから顔を合わせることもなく、果ては、自分はいずれ父親によって冤罪で殺されてしまう運命なのではないか、と娘は危惧しています。
そんな特異な状況からスタートする二人の関係性ですが、運命的な出会いを経て、徐々に変化を遂げていきます。しかしそこは一筋縄でいくものではなく、数々の困難もあって決してすんなりとはいきません。ですが、その過程が丁寧に描かれているところが、この作品を魅力的なものにしている要因ではないでしょうか。
最初から何もかもスムーズにいく訳ではなく、アタナシアのひた向きさとクロードの不器用ながらも確かに感じられる愛情に、読み手は魅了されていくのだと思います。
ぜひ読んで楽しんでみてくださいね!